- 誤嚥性肺炎と窒息
年をとるにしたがって、体の働きが衰えますが、物を飲み込む嚥下機能も低下し、食べ物が飲み込みにくくなります。
嚥下機能低下による誤嚥性肺炎
細菌の混ざった食べ物やだ液が、誤嚥により肺に入り肺炎を起こすことがあります。
嚥下障害の3大兆候
- 1.せき込む
- 2.むせる
- 3.たんが出る
さらに症状が進むと、食後、ガラガラ声になったり、声がかすれる、食事をとると疲れる
食べ物が飲み込みにくいときの症状
- ① 食べ物が口に残るようになった。
- ② 口からよくこぼすようになった。
- ③ 食事の時間が、だらだらと長引くようになった。
- ④ パサパサした食べ物が飲み込みにくくなったり、お茶や水にむせるようになった。
(水分摂取の減少)
誤嚥性肺炎を疑う症状
- ・食欲の低下
- ・発語が少なくなり、普段より元気がない
- ・慢性的な微熱
どのような人が窒息を起こしやすいか?
窒息:しっかり飲み込めなくて、食べ物がのどに詰まり、息ができなくなる事。
- ・脳卒中の既往のある人
- ・口腔機能の低下している人(高齢者)
- ・口腔機能が未発達の人(乳幼児・障害者)
3年間に窒息で亡くなった人はどのくらいいるの?
窒息の原因になった食品
窒息と誤嚥性肺炎の予防
口腔ケア
- ●衛生的ケア(いわゆる口腔ケア)
- 口腔衛生の維持・向上を目指す
- ●器質的ケア
- 義歯が適正に入っている
- ●機能的ケア
- リハ体操、摂食・嚥下指導
食べる時の姿勢
- ●テーブルの高さ
- 上にのせた肘が約90度に曲がる高さ。
- ●椅子の高さ
- 股関節と膝関節は約90度に曲がっている。
- ●テーブルと椅子の距離
- 身体とテーブルの間に握りこぶし1個分のすき間。
腰から上がやや前傾した姿勢
足底がしっかりと床についている。
2008 日本歯科評論別冊 口の元気体操
誤嚥性肺炎や窒息の予防
調理の工夫
- ①とろみづけ
- :適度にとろみをつける。
- ②見た目に美味しく
- :食欲がわくように、盛り付けや彩りを工夫する。
- ③好物を大切に
- :好物を取り入れ、食べる意欲を引き出す。
- ④適温で食べられるように
- :温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、
ちょどよい温度で用意する。
食べ方の工夫
- ①一口量
- :のどに残らないように、1回で飲み込める量を口に入れる。
- ②食べる順番
- :時々ゼリーなど、のどごしのよいものを交えながら食べる。
- ③食べるペース
- :飲み込んでから次の食べ物を一種類ずつ口に運ぶ
- ④むせ予防
- :意識的にせきをすると、むせを予防できます。
- ⑤食後すぐに横にならない
- :食後30分くらいは、体を起こした姿勢で過ごす。
- ⑥集中する
- :ほかのことに気をとられると、うまく飲み込めません。